暗号資産を調べ始めると、すぐに「USDT」「USDC」といった文字を目にします。
私も最初は「また別の新しいコインが増えた?」と思っていたのですが(笑)、実はこれらはビットコインとはまったく異なる目的を持つ「ステーブルコイン」というもの。
この記事では、ステーブルコインとはなにか・米ドルとどんな関係があるのか・代表的な種類とリスクまで、初心者の方でもわかるように丁寧に解説します。
『ステーブルコイン』とは「安定した」デジタル通貨

ビットコインは1日で価格が10〜20%動くこともあります。
それが暗号資産の面白さでもありますが、「値動きが激しすぎて日常の支払いには使いづらい」「利益が出ても次の瞬間に価値が下がってしまう」という問題もあります。
そこで生まれたのが「ステーブルコイン(Stablecoin)」です。
「ステーブル(stable)」は英語で「安定した」という意味。
文字通り、価格が安定するよう設計されたデジタル通貨のことです。
多くのステーブルコインは、米ドルや日本円などの法定通貨と1:1で価値が連動するよう設計されています。
たとえば「1USDT ≒ 1米ドル」のように通常は1ドル前後で推移するため、ビットコインのような激しい値動きがほとんどありません。
ブロックチェーン上で動くデジタル通貨でありながら、価値は現実のお金と同じ——それがステーブルコインの最大の特徴です。
「デジタルな形の米ドル」と表現するとイメージしやすいかもしれません。
「米ドル」とどんな関係?安定の仕組みを解説

ステーブルコインの多くは「米ドル連動型」です。
なぜ米ドルが多いのかというと、世界の貿易・金融取引の多くが米ドルを基準に行われており、暗号資産市場でも「ドル建て」での取引が中心だからです。
では、どうやって「1ドル = 1枚」の価値を維持しているのでしょうか?
法定通貨担保型のステーブルコインでは、発行会社が実際の米ドルや米国債などを「裏付け資産」として保有することで価値を担保します。
例:Tether社が1,000ドルを銀行に預ける → 1,000USDTを発行する → ユーザーが返却すれば1,000ドルを返す
このしくみは、かつての「金本位制」に似ています。
昔のお金は金(ゴールド)を担保に発行されていましたが、ステーブルコインでは「米ドル」がその役割を果たしているイメージです。
ただし、すべてのステーブルコインが同じ仕組みというわけではありません。
法定通貨担保型のほかにも、暗号資産を担保にした「分散型」や、アルゴリズムで価格を調整する「アルゴリズム型」などが存在します。
アルゴリズム型は2022年に大規模崩壊事件が起き、現在はリスクが高いものとして広く認識されています。
代表的な『ステーブルコイン3種類』を紹介

実際によく話題にのぼる3つのステーブルコインをご紹介します。
① USDT(テザー)
発行元:Tether社/連動:米ドル(1USDT ≒ 1USD)
時価総額:約1,842億ドル(2026年2月時点)
世界最大規模のステーブルコインで、ほぼすべての取引所で利用できます。
「BTC/USDT」「ETH/USDT」など多くの取引ペアの基軸通貨として機能しており、取引所間の資産移動にも幅広く使われています。
圧倒的な流動性が最大の強みですが、過去に準備金の透明性について指摘を受けたことがあり、現在は四半期ごとに証明書を公開するなど改善が進んでいます。
② USDC(USDコイン)
発行元:Circle社(Coinbaseと共同プロジェクトとして開始)/連動:米ドル(1USDC ≒ 1USD)
時価総額:約733億ドル(2026年2月時点)
現金や米国財務省証券を裏付け資産とし、定期的な第三者監査を受けることで、透明性・信頼性が高いステーブルコインとして機関投資家からも評価されています。
国内ではSBI VCトレードが2025年3月から取り扱いを開始し、日本でも身近な存在になりつつあります。
▶『おすすめの国内取引所 SBI VCトレード』をくわしく解説した記事はこちら
③ DAI
発行元:分散型プロトコル(旧MakerDAO系)/連動:米ドル(スマートコントラクトで維持)
USDTやUSDCと大きく異なるのは、特定の会社が管理しないという点。
イーサリアムなどの暗号資産を担保にロックし、スマートコントラクト(自動プログラム)が自律的に価格を安定させます。
DeFi(分散型金融)で広く使われており、「誰かに依存しない金融」を体現したステーブルコインです。
『ステーブルコイン』のメリット・デメリット

| メリット | デメリット |
|---|---|
| 価格変動リスクが低く、資産の一時避難先に使える | 発行会社の経営破綻・不正リスクがある |
| 取引所間の送金が速く手数料も安い | 急激な市場崩壊でペグ(価格固定)が崩れる可能性がある |
| DeFiでの運用(レンディング・ステーキングなど)に活用できる | 国内取引所での取り扱い銘柄がまだ少ない |
| 国際送金に使えば銀行より速く安く送れる | 保有しているだけでは基本的に増えない |
特に注意したいのが「ペグ崩壊リスク」です。
2022年、アルゴリズム型ステーブルコイン「TerraUSD(UST)」が大崩壊し、ほぼ無価値になった事件は記憶に新しいところ。
法定通貨担保型のUSDT・USDCは比較的安定していますが、リスクがゼロではない点は理解しておきましょう。
『ステーブルコイン』を実際に使ってみた感想

私がはじめてステーブルコインを活用したのは、取引所間で資産を移動させるときでした。
ビットコインを売って別のアルトコインを買いたかったのですが、いったん日本円に戻して再入金すると、時間も手数料もかかります。
そこでUSDTに変換して別の取引所に送金したところ、スムーズに移動できました。
また「相場が荒れているな」と感じたタイミングで、保有しているビットコインをいったんUSDTに変えて様子を見る「避難」という使い方も非常に便利です。
これは多くのトレーダーがよく使うテクニックで、ステーブルコインならではの使い道だと思います。
日本発の円ステーブルコイン「JPYC」にも注目!

米ドル連動型ばかりではなく、日本円に連動したステーブルコインも登場しています。
それが「JPYC(ジェイピーワイシー)」です。
もちろん「1JPYC = 1円」で設計されています。
2021年から前払式支払手段として提供され、2025年10月には電子決済手段型の『日本円ステーブルコイン』として正式発表されました。
円建てで動くため、資産管理や税務計算がシンプルになるというメリットがあります。
また、JPYCは「暗号資産」ではなく、資金決済法に基づく「電子決済手段」として分類されており、法人・個人を問わず活用しやすい設計になっています。
専用プラットフォーム「JPYC EX」から入手でき、即時送金や低コスト決済が可能。
コンビニ決済への展開も計画されており、日本国内でのWeb3普及を後押しするプロジェクトとして注目が集まっています。
まだ発展途上のサービスですが、今後が楽しみな存在のひとつです。
よくある質問(Q&A)

Q. ステーブルコインは価格が絶対に変わらないの?
A. 基本的には安定していますが、絶対ではありません。2022年のTerraUSD(UST)崩壊のように、設計に問題があるステーブルコインは価値がほぼゼロになることもあります。法定通貨担保型のUSDT・USDCは比較的安定していますが、リスクゼロではないことを覚えておきましょう。
Q. 国内の取引所でステーブルコインは購入できますか?
A. USDCはSBI VCトレードで2025年3月から購入可能です。USDTは現時点で国内主要取引所での取り扱いが限られており、主に海外取引所で流通しています。今後は国内での取り扱い拡大も期待されています。
Q. ステーブルコインで利益を増やすことはできますか?
A. 価格変動では利益を得にくいですが、DeFiプラットフォームに預けて利息を得たり、レンディングサービスで貸し出して利回りを得ることは可能です。ただし仕組みとリスクをしっかり理解してから利用することをおすすめします。
『ステーブルコイン』をうまく活用しよう!

- ステーブルコインとは「価格が安定したデジタル通貨」のこと
- 多くは米ドルなどの法定通貨と1:1で連動し、裏付け資産によって価値が維持される
- 代表例はUSDT・USDC(米ドル連動)、DAI(分散型)
- 取引所間の移動・DeFi運用・資産の一時避難など、使い道は幅広い
- 発行元のリスクやペグ崩壊の可能性は理解したうえで活用しよう
ステーブルコインは、暗号資産の世界をより安全かつ使いやすくするための重要なピースです。
まずはビットコインや国内取引所での取引に慣れたあと、ひとつの選択肢としてぜひ活用してみてください!
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【免責事項】
本記事は情報提供を目的としており、投資を勧誘するものではありません。暗号資産への投資はリスクを伴い、価格変動により損失が生じる可能性があります。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。また、本記事に記載された手数料・サービス内容は2026年7月時点の情報であり、変更される場合があります。最新情報は各取引所の公式サイトでご確認ください。
