『指数平滑移動平均線(EMA)』は『単純移動平均線(SMA)』と同じようによく使われるチャートのひとつです。
この記事では市場心理の分析と売買のシグナルなど『指数平滑移動平均線(EMA)』を使いこなせるようになります。
チャートの形やパターン、有名な法則を覚えるだけて大きく勝率が上がります。
しっかりと使い方を覚えて、市場心理を把握して論理的な取引きを行いましょう!
『指数平滑移動平均線』はどんな特徴がある?
『指数平滑移動平均線』の特徴は『単純移動平均線』と比較するとわかりやすいです。
指数平滑移動平均線の『メリット』
古いデータも直近のデータも同じ様に影響する『単純移動平均線』を改善したのが『指数平滑移動平均線』です。
直近のデータほど重視して影響し、古くなるほど影響が薄くなるチャートです。
そのため『単純移動平均線』と比べ『指数平滑移動平均線』は振り幅も小さく、直近の価格の動きに早く反応します。
実際のチャートでも天井や底が早く出現するので、取引きのシグナルを早く確認することができるのです。
指数平滑移動平均線の『デメリット』
価格の動きに早く反応するということは『だまし』も多くなってしまうので注意しましょう。
『単純移動平均線』にもだましは発生しますが、反応が早い分だけ多くなるのです。
その点だけは頭に入れておきましょう。
指数平滑移動平均線は何日期間を使用する?
ネットを利用した短期間のトレードが多くなった現在、短期では『5日移動平均線』、長期では『25〜75日移動平均線』の使用をおすすめします。
ただし、一番使いやすい期間は個人差があるので、いくつか利用しながら自分に合った期間を見つけましょう。
『指数平滑移動平均線』の使い方
『指数平滑移動平均線』は『単純移動平均線』と同じ使い方をします。
- サポートライン
- レジスタンスライン
- ゴールデンクロス
- デッドクロス
- グランビルの法則
すでに『単純移動平均線』の記事を読んでいる方は飛ばして大丈夫です(笑)
『サポートライン』と『レジスタンスライン』
トレンドが発生している時には、そのトレンドを支えるラインがあります。
上昇トレンド時の安値『サポートライン(支持線)』、下降トレンド時の高値『レジスタンスライン(抵抗線)』は要チェックです。
1日移動平均線より20日移動平均線など、より長い期間の方が強い傾向にあります。
上昇トレンド時の『サポートライン(支持線)』とは
価格が上昇トレンドにあり、安値で転換する移動平均線があります。
その移動平均線を『サポートライン(支持線)』と呼びます。
『なるべく安く買いた理い』という市場心が表れており、この『サポートライン(支持線)』で買いが集中するため転換するタイミングになります。
サポートライン(支持線)を下回るケース
価格の転換を期待した『サポートライン(支持線)』を下回った時、市場は『もっと下がるかもしれない』と不安感が強くなります。
そうすると『売り』が多くなり一気に価格が下がる可能性があるので注意が必要です。
下降トレンド時の『レジスタンスライン(抵抗線)』とは
価格が下降トレンドにあり、高値で転換する移動平均線があります。
その移動平均線を『レジスタンスライン(抵抗線)』と呼びます。
『なるべく高く売りたい』という市場心理が表れており、この『レジスタンスライン(抵抗線)』で売りが集中するため転換するタイミングになります。
レジスタンスライン(抵抗線)を上回るケース
価格の転換を期待した『レジスタンスライン(抵抗線)』を上回った時、市場は『もっと上がるかもしれない』と不安感が強くなります。
そうすると『買い』が多くなり一気に価格が上がる可能性があるので注意が必要です。
『ゴールデンクロス』と『デッドクロス』
異なる期間の移動平均線が交わるポイントは、非常に重要なシグナルです!
『買いのゴールデンクロス』と『売りのデッドクロス』は必ず覚えましょう。
買いの『ゴールデンクロス』
『短い期間』の移動平均線が『長い期間』の移動平均線を下から上に超えたポイントを『ゴールデンクロス』と呼び『買いのシグナル』です。
ゴールデンクロスは価格が下降した後に発生します。
売りの『デッドクロス』
『短い期間』の移動平均線が『長い期間』の移動平均線を上から下に超えたポイントを『デッドクロス』と呼び『売りのシグナル』です。
デッドクロスは価格が上昇した後に発生します。
最も有名な『グランビルの法則』
米国のジョセフ・グランビル氏が発案した有名な『グランビルの法則』という手法があります。
『買いのポイント4つ』と『売りのポイント4つ』の計8ポイントが重要です。
非常に使えるので覚えておきましょう。
買いポイント4つ
買い①【買いのスタート】
移動平均線が上向きになりつつ、価格が下から上に抜けた時に買い。
買い②【押し目買い】
価格が移動平均線を下回っても、移動平均線が上昇中の時は押し目買い。
買い③【買い乗せ】
移動平均線が上昇中で、下降した価格が移動平均線に届く前に再上昇した時は買い乗せ。
買い④【自律反発の買い】
下降中の移動平均線よりも、価格が大きく乖離して下降した時には自律反発する可能性が高いので買い。
売りポイント4つ
売り①【売りのスタート】
移動平均線が上昇から下向きになりつつ、価格が上から下に抜けた時に売り。
売り②【戻り売り】
価格が移動平均線を上回っても、移動平均線が下降中の時は戻り売り。
売り③【売り乗せ】
移動平均線が下降中で、上昇した価格が移動平均線に届く前に再下降した時は売り乗せ。
売り④【自律反落の売り】
上昇中の移動平均線よりも、価格が大きく乖離して上昇した時には自律反落する可能性が高いので売り。
『グランビルの法則』で使用する移動平均線
以前は日々線と200日移動平均線を使っていましたが、ネットを利用した短期トレードが多くなった現在では『5日移動平均線』と『25〜75日移動平均線』の使用をおすすめします。
いろいろと試して自分に合った期間を選びましょう。
【ちょい+α】3種類の移動平均線
単純移動平均線 (SMA)
文字通り、一定期間の終値を単純に日数で割った移動平均線です。
基本的なチャートですが、古いデータも新しいデータも同じ影響力があり、直近の価格変動の反応が遅いというデメリットがあります。
指数平滑移動平均線 (EMA)
単純移動平均線 (SMA)を改善して直近の価格の変動を重視したチャートです。
古いデータの影響は小さく、新しい方が重視されるので値動きはすぐに反応します。
移動平均線では一番使われているおすすめのチャートですが、だましも増えるので注意が必要です。
加重移動平均線 (WMA)
単純移動平均線 (SMA)よりも直近の価格の変動を重視したチャートです。
かなり特殊な計算をするので興味があれば調べてみてもいいかもしれません(笑)
しかし『指数平滑移動平均線 (EMA)』の方が反応も早く、直近の価格を重視しているため、あえて使う必要はないと思います。
『指数平滑移動平均線』を使いこなしましょう!
『指数平滑移動平均線(EMA)』は直近の価格の動きに素早く反応するので、短期のトレードや判断がしやすいシグナルです。
だましが多くなる点を注意しながら、いくつかのチャートと組み合わせて使いこなしましょう。
冷静で客観的な分析が勝率を上げるポイントです。
それでは、人生を楽しみましょう!